2012年3月18日日曜日

着物の時間 その2

春といえどもまだまだ寒い日が続いています。今日は一日中、雨降りでした。
昨年の6月に亡くなった母のタンスをやっと開ける気になって、先週の 天気の良い日に桐の箪笥を開けてみると、たくさんの着物と帯が出てきました。もちろん母自身のものもありますが、さらにおおばあばちゃんと呼んでいた、私 の祖母のものまでしまってありました。明治生まれの祖母のものはさすがに、とってあるとは思ってもいませんでしたが、母は捨てられずに一番下に置かれてい ました。色は黒、粗末な紬で農家の老人が大事に身につけてした訳で、だいぶいたんでいます。しかし、母は捨てられなかったのです。
そして、母の 着物も若い頃の銘仙や帯、当時のはやりだったのでしょう。鮮やかな色と模様です。おしゃれした独身時代の一張羅は大切に持っていたかったのでしょう。結婚 してからはとても着物を買う事ができるような経済状態ではなかったはずなので、せいぜい子供の入学式や卒業式に着るための色無地の着物に名古屋帯です。そ れはそれは大切にしていたのを覚えています。きっと母の晴れ着はそれだけだったでしょう。やっと自分の着物を自分で仕立てられる喜びは、妻として母として の喜びにつながっていたと思います。その紋織りの色無地の着物を今度のお茶会で着ようと思いました。母が着た年より私はずいぶん年をとりましたが、母の幸 せな気分を思い、母の人生のあとをなぞってみたいと思っています。